Monday : 2005.06.06

床下の健康診断(補強編)

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畳を上げ、下地(荒床)をきれいに掃除したところで、ようやく床下の健康診断です。荒床の状態は概ね良好で、一部、節が抜けている箇所こそありますが、“割れ”“腐り”といった症状はなく、引き続き使用しても支障はなさそうです。一方、クギについては “サビ”が目に付き、ボロボロになって根太との接合を果たしていない箇所も見受けられます。

さらに、荒板を数枚はがして、床下の“根太”“大引”そして地面の様子も確認します。カビが大量発生しているような、目を覆う景色が広がっていたら、と危惧しましたが、幸いそのようなことはなく、そこから覗ける範囲に限っては、素人目には腐りやシロアリ被害といった痛みは見当たりませんでした(あくまで素人目にはですよ…)。

畳を上げる前から、部分的にフワフワする箇所を確認していましたが、その場所と、クギのゆるみの箇所とが一致していたので、なんとなく頭で納得。やはり、行き来の激しい箇所(断続的に加重がかかるところ)において、症状が顕著なのは、当然といえば当然でしょう。続いて2階もチェックしましたが、状態としては1階とほぼ同等。間取りによって、日当たり良さと湿気や乾燥の具合が一致していたので、これも頭で納得。所詮素人ですから、そういう当たり前のことでも、科学的な根拠を元に自分の家のことを知ったような気になってちょっと嬉しいわけです。

ひと通り観察を終えたところで、ちょっとひと息。天気の良い日に床下に風を通すのは、とても心地の良いものです。思わず私たち夫婦も、お昼寝タイムに突入したいところですが、その日のスケジュールがそれを許しません。「さてどうするか」決断のときです。



私の性格からすると、一旦荒床を全部はがして、すべての“根太”“大引”の状態を観察してから、荒床を全部張りなおしたいところですが、日が暮れるまでには畳を元に戻さないといけませんし、明日にはもう引越しの荷物を家に入れなければなりません。私たち夫婦の取った行動は、ホームセンターで大量のクギを購入し、二人がかりでクギを打ちまくること。そのために妻用に金槌(かなづち)も一本買い足しました。これ以上高度な床下診断は素人には無理との判断です。

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白く光っているのが、新しく打ったクギです。幼少より木工に慣れ親しんだ私と違い、妻は最初ちょっとヘタでしたが、その腕はみるみる向上し、最後はなかなか頼もしい存在になっていました。結婚してセレブなライフを夢見ていたかもしれない彼女にとって、「なんで私は汚い格好してボロ屋でクギ打ちなのよ」と思ったかどうかわかりませんが…。

このクギ打ちにより、荒床の強度は確実に向上し、結果的に大正解でした。畳を元に戻してその上を歩いてみると、その成果はさらに顕著で、フワフワしていたところがほとんど気にならなくなり、全体的に足触りが固めになっていたので、大変驚きました。自分たちで頑張っただけに、感動もひとしお。まあ、そのうちどこかまた痛んでくるのでしょうけど、少しは時間が稼げたでしょう。

Thursday : 2005.06.02

床下の健康診断、その前に(掃除編)

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畳を上げて姿をあらわにしたのは、50年モノの荒床(あらゆか)。普段は目に触れることのないこの部材は、読んで字のごとく“荒い床”。我が家の荒床はマツ材のようです。

古くから荒床にはスギやマツの小幅材が多く用いられてきましたが、現在では合板(コンパネボード)を使用するのが一般的です(マンションなどでは、コンクリートの上に直接畳を敷くケースもある)。ただ、荒床が合板であると、畳本来の通気性が発揮出来ないため、床の通気を良くし、床下からの湿気による腐食を防ぐためにも、荒床にはスギ板を張ることが望ましい、とする説もあります。

さて、開けたからには、まずは徹底的に清掃です。長年のホコリを吸い取り、ワラくずを拾い、ほうきがけをし、このときばかりはと、敷居の下の隙間に入り込んだ、廃材ガラのようなものを、根気よく除去します。1階のめどがついたら、次は2階。最初は目も当てられない状態でしたが、夫婦で手分けをして頑張ると、数時間後には、素足で歩ける程度まできれいにすることができました。

それにしても、畳のない畳間は、不思議な空間です。同じ板敷きではあれども、フローリングともまた違った変な心地は、例えるならば、船の甲板にいるかのよう。一瞬、このまま(畳を戻さない)でもいいかな、などと思ってしまいましたが、強度的には、荒床だけでは不十分です。

試しに板を数枚はがしてみると、下はもうダイレクトに土(地面)。下から竹の子が生えてきたって、何もおかしくないわけです。古い木造家屋は造りがシンプルですね。