Saturday : 2005.05.21

畳干しの本当の理由

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ずらりと並んだ畳・畳・畳。だって我が家は畳の部屋しかないのです。かつて季節の風物詩といわれた「畳干し」も、近年すっかり影を潜め、こと都市圏においては、見かけることすら困難でしょう。これは2004年6月19日(土)、引越しを明日に控えての大掃除の風景です。

引越しは週末2回に分けて行うことにしましたが、本格的な大掃除に費やせるのはこの日しかありません。半年ほど空き家だった家なので、室内はちょっと埃っぽい陰気な感じは否めません。天気予報はくもり、降水確率は30%でしたが、気持ちのよい快晴。家中の畳を上げて、床下に風を通しました。

何年モノか見当もつかない年季の入った畳たち。さして上質な畳でもないのでしょうが、いわゆる全部ワラで出来た昔ながらの畳なので重い重い。2階から降ろすのはかなり手を焼きました。まあ、最近の畳は、中身が発泡スチロールや木製チップなものも多いそうですから、それよりは趣あるとも言えるでしょうか。畳表を日光に当てると変色するので良くないそうですが、畳表はもうとっくに焼けちゃってるので、そこらへんは気にせず、“日光消毒”という考え方で日に当てます。突然越してきた若い夫婦が、いきなりこんなこと始めちゃったわけですから、ご近所さんもちょっと驚かれたかもしれません。

しかし、畳干しの本当の目的は他にあるのです。それは畳の下の床板(荒床)の状態を見ること。くわしくは、次回述べたいと思います。

Thursday : 2005.05.19

長男「タヒチ」誕生

突然ですが、我が家に長男が誕生しました。名前を「タヒチ」といいます。

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2005年5月9日早朝、里帰り出産のため、神戸に帰郷中の妻より陣痛の知らせを受け、急いで品川から新幹線ぶっ飛ばして行ったのですが、ありがたいことに安産(超スピード分娩)で結局立ち会えず。出産後の妻には「よく頑張ったね」と第一声をかけようと以前は考えていたものの、口をついて出た言葉は「早すぎるよ〜。間に合わなかったじゃん(笑)。」といった具合。ともかく母子共に健康でよかった。ホッと胸をなでおろす。

さて、新生児とご対面。10ヶ月、生を共にした母と違い、男はいきなり現実を突きつけられるわけです。目の前の子が自分の子であると脳が認識するまでに、ちょっとしたタイムラグがあり、ファーストインプレッションは「なんか“おサカナ”みたいな顔してるなぁ」

区の両親学級で習った、つたない抱き方で抱き上げると、ずっしりとした重み。付け根の太い指は僕にそっくりだけど、爪の形は妻に似ている。握る力はすごく強い。それにしても、不細工な顔してるなぁ。他人に見せて、客観的に“カワイイ”と思ってもらえる写真を撮るのは難しそうだ。まいったなぁ…。最初はそんなこと思いつつも、所詮親ですから、感覚はすぐ麻痺しちゃって、なんだか可愛く思えてきちゃったぞ。いつまで見てても飽きないから不思議だ。うーん、まいったなぁ…。これを学術用語で“親バカ”というのでしょう。



なんかでもらった育児小冊子(そんなもん全然読まないけど)に、父親の役割のひとつに「子どもとダイナミックに遊ぶ」とか書いてて、それの一つ覚えで早速赤ちゃんをブンブン振り回してあやしていると、回りはヒヤヒヤ。でも当の本人はわりとご機嫌な感じ。また、泣き声も可愛らしいので、わざと泣かしたりあやしたりをくり返していると、周囲からは「可愛そう」の声が。

思いのほか、爪が伸びていたので、おとーさんが“はじめての爪切り”にチャレンジ。不安げな助産婦さんを横目に、果敢にオン・ザ・ジョブ・トレーニングに励む父。おっ、わりと力強く暴れるな。猫の爪切りより難易度高いぞ。

最近は「赤ちゃんが生まれました葉書」を頂戴する機会も多く、そこには必ず「○○で△△な子に育って欲しいという願いを込め、○△と名づけました。」という常套(じょうとう)句が書いてあるので、さっそく例にならって『バイクとロックが好きな少年に育って欲しいと願い…』と考えてみるも、文面だけだと不良みたいだ。

出産後の母のお尻への負担を軽減するためのドーナッツ型の座布団を「円座」というのだそうですが、その「エ・ン・ザ」をヒアリングできず「便座」と連呼してたら、妻に怒られる羽目に。また、珍しくジャケットなんか羽織ってたので、みんなに「今日はなんかお洒落さんね」とかいわれるも、「当たり前じゃん、看護婦さんたちにモテなきゃ意味ないっしょ」とか言ってたら、呆れられる始末。

残念ながら、父はまたすぐに東京に戻らなければならないのだ。一緒に暮らせるのは2ヶ月先。あぁ、待ち遠しいかな。名残惜しいけど、次の日神戸を後にした。

2005年5月9日 午前9時6分 タヒチ 2900gで誕生。
この子の未来に幸あれ。

Monday : 2005.05.16

1年間はそのまま住む、そして見極める

念願かなって、古い家に移り住んだ私たち夫婦。「リノベーション」「コンバージョン」といった新しい“住”の価値観が注目を浴び、メディアで取り上げられる機会が多くなった昨今、夢は広がります。私たちの家も、今はボロ屋でも、いつかは雑誌で見た家のようにオシャレに生まれ変わるのでしょうか?

ただ、私たちはここをCafeにするわけでも、雑貨屋にするわけでも、事務所にするわけでもありません。出来れば向こう数十年間に渡り、生活を営む“住空間”として住まい続けたいと願うわけです。では最初にすべきことは何でしょう。

私が考える、リノベーション計画で最も大切なことは、まず1年間住んでみることです。それは、築35年の家に住んで学んだことですが、とにかく四季を体感してみないことには、その土地・物件固有の問題を掌握できません。低気密な古い家ほど、室外の環境が室内にダイレクトに反映されるものです。夏どれくらい熱いのか。冬どのくらい寒いのか。梅雨期はどのくらいの湿気があるのか。震度3くらいの地震が来た時どれくらい揺れるのか。長雨や暴風、台風にさらされたとき家はどうなのか。電気やガスはどのくらい必要なのか。その他、日当たり、音、ご近所問題に至るまで、それらはそこに住んだ者にしかわかり得ない重要なデータです。また、生活する中で家の痛みの進行具合もわかります。

そして、すべきことは、「我慢できるところ」と「我慢できないところ」の見極めです。性急に補修を要する箇所もあれば、慣れ(やあきらめ)で解決できること、また、後回しにできる問題もあるでしょう。

大体、テレビのリフォーム番組のように、1千万円クラスの予算をもってすれば、どんな家だって劇的に変貌するのです。しかし、私たち夫婦にそんなお金はどこにもありません。私たちが目指したのは、『車を購入するくらいの経済感覚(予算)で家を何とかする』です。そこで必要なのは、自分たちで出来ることは自分たちでする“DIY精神”と、我慢できることは我慢する“貧乏スピリッツ”の二つでしょうか。現に私たち夫婦は入居後、お湯の出ない(給湯機の無い)水だけの水道で、半年間生活したのでした。

Sunday : 2005.05.15

古い家を求めて

今からちょうど1年前の2004年6月、私たち夫婦はおよそ築50年の古い家に移り住みました。 “古民家”と呼べるほどの風情もなく、ただ古いだけの昭和30年代の小さな家。それは、ちょうど自分の親たちが幼少期を過ごした、そんな戦後の家です。

かねてから古い家に限定した物件探しを、半ばライフワークにしていた我々夫婦は、足しげく中古物件巡りをしていましたが、なかなか琴線に触れる物件に出会えずにいました。そのとき既に築35年の家に住んでいましたから、大抵の古さには驚きませんでしたが、逆に私たちを冷めさせたのは、不動産屋が行う一辺倒なリフォームでした。

古い物件ばかりですから、どこかしら改修されているのが常でしたが、その多くは、壁に石膏ボードを張りめぐらせてビニールのクロスで覆い、外壁はサイディングしてしまうといった具合で、現在の施工法としては一般的なのでしょうが、古さをただ覆い隠してしまうやり方が、私たちは気に入りませんでした。完全に古いままで残っている物件もまれにありましたが、しかしそれはそれで痛みが目に余ったり、何かしら他の問題もはらんでいたりして、古い家探しは一筋縄では行きません。

それでも気長に家探しをしていた私たちですが、ある日、足を運んだとりわけ古い家に、いつにない感覚を覚えました。かつて下宿屋を営んでいたというその家は、何度かに渡り手が入れられていましたが、家の多くは建築当時の趣をとどめていました。水回りも数十年前のままで、現在の生活様式から考えると、なかなか苦戦を強いられそうです。それでも私たち夫婦は、このぽつんと取り残されたこの古い家が気に入りました。年代的には「サツキとメイの家」といったところでしょうか。

結果的に私たちは、この家に移り住むことにしました。

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Saturday : 2005.05.14

装いも新たにリニューアルオープン

一年前より構想していたサイトリニューアル計画を、ようやく実行に移すことができました。音楽やインターネットにまつわる内容でスタートした『suitcase.jp』ですが、日々に追われるうちに、いつしか私の愚痴日記と化してしまい、内容を一新したいと常々考えていました。そこで奮起一番、『古い家に住む。』と題し、装いも新たにリニューアルオープンいたします。よろしくお付き合いください。

昨年6月、およそ築50年の古い家に夫婦で移り住み、生活を始めました。半世紀前の家屋に住み、そこで思い感じたこと、また、少しずつ自分で手をいれ、暮らしよい家に変えてゆく楽しみ、そんな家族の生活を、自身の備忘録として記しておこうというのが、『古い家に住む。』の趣旨です。次回より、四季感じる“シビレるライフ”を少しずつご紹介していきたいと思います。

さて、当サイトは現在、動作確認、バグフィックス中です。当方、Windows XP SP2、Internet Explorer6.0、Pentium(R)4 (2.4GHz)、ADSL(8M)、1280×1024pixelのみでしか、動作検証しておりません。環境の違う方、特にMacintoshな方、バグの洗い出しに、ご協力いただけると幸いです。ご意見、ご感想ほか、動作不良、使いにくいところ、またお気づきの点などございましたら、お気軽にメールフォームより送信ください。

それでは、『古い家に住む。』を今後ともよろしくお願い致します。

2005年 初夏 SUITCASE 




【現在確認している問題】5/16付

  • IE 5.2 for Macにおける画像一部非表示(一部CSS非対応)

  • Safari(Mac)における、一部表示の乱れ(未解決)

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